こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回はTwitterでリクエストをいただき、学習塾「ena」を展開する学究社を分析、研究していきたいと思います。
学究社とは
学究社は学習塾「ena」を展開しています。1985年に学習塾業界で初めて上場した会社でもあります。
株主還元方針
学究社は配当利回り4.08%(2023/4/17終値ベース)となっています。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
株主様に対する利益還元を経営の重要課題として位置付けるとともに、今後の収益力向上のための内部留保による企業体質の強化を図りながら、業績に対応した成果の配分を行うことを基本方針としております。
具体的な数値については言及しないあいまいな株主還元方針となります。
しかし配当とEPSの推移を見てみると会社の隠れた株主還元姿勢が見えてきます。
株主優待
株主優待として100株以上保有で1,000円分のクオカードがもらえます(3月)。
配当と株主優待を合わせた総合利回りは4.56%(2023/4/17終値ベース)となります。
配当推移と5年後の期待配当利回り
学究社は配当利回り4.08%(2023/4/17終値ベース)で配当利回りは高い水準で、3期連続増配予定です。なお11期連続で減配なしということで減配リスクは低いと言えるでしょう。
配当増配率は平均で年率10.3%、EPS成長率は平均で年率18.6%となっていますが、これは10年前に配当性向165.8%で配当を出していたことでEPS成長率が高く見えています。
学究社 | 直近10年 | 直近5年 | 直近3年 | 平均 |
配当増配率 | 14.1% | 4.6% | 12.3% | 10.3% |
EPS成長率 | 27.6% | 8.6% | 19.6% | 18.6% |
配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。長らく60円配当の時期が続きましたがその時は配当性向が65-78%という水準でしたが、現在は50-59%ほどに落ち着いてきています。
株主還元方針では業績に対応した成果の配分を行うということでしたが、完全な業績連動型ではないことが分かります。11/3期には減配しつつも配当性向118.8%、12.3期には配当性向165.8%と利益以上の配当を出しながらも配当を実施しています。その後も配当性向70%前後の高い水準で配当を行い11期連続で非減配を貫きました。
業績に対応した配分を行うとしつつも減配をしない姿勢を続けており、その点は長期保有しやすい銘柄であると言えるでしょう。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
配当金 | 60円 | 60円 | 60円 | 60円 | 65円 | 75円 | 85円 |
配当性向 | 65.7% | 65.9% | 78.4% | 71.3% | 64.6% | 54.5% | 59.0% |
増配率 | – | ±0% | ±0% | ±0% | +8.3% | +15.4% | +13.3% |
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
EPS | 91.31円 | 91円 | 76.54円 | 84.1円 | 100.57円 | 137.7円 | 144.05円 |
成長率 | – | -0.3% | -15.9% | +9.9% | +19.6% | +36.9% | +4.6% |
配当金の平均増配率は年率10.3%で、このペースで増配すると仮定すれば5年後の配当金は126円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回り(YOC)は6.05%になっていると期待できます。
株価推移と5年後の期待株価
学究社の株価は直近10年の月足チャートで見ると基本的には右肩上がりですが、コロナ禍によって大きく下げたことが分かります(合宿などが実施できないなどの影響あり)。
直近では大きく回復しコロナ前の株価を越えて上場来高値を更新しています。
学究社 | 直近10年 | 直近5年 | 直近2年 | 平均 |
株価上昇率 | 11.5% | 2.6% | 21.8% | 11.9% |
株価上昇率は直近10年平均で年率11.9%で、この上昇ペースだと5年後の株価は3,540円になっていると期待でき、70.0%増の予想となります。
学究社の高配当株としての評価と投資判断
学究社は配当利回り4.08%(2023/4/17終値ベース)と高く、さらにクオカード(100株以上で1,000円)の株主優待も合わせると総合利回り4.56%となります。
株主還元方針として業績に対応して利益配分するとしながらも、配当性向を変えることで減配しないようにしており11期連続で非減配の実績で減配リスクは低いです。
株価上昇率は年率11.9%でコロナ禍の影響で大きく落ち込んだ株価も回復し上場来高値を更新しています。
少子化の問題はありますが、都立中高一貫校や都立難関校に特化しており他と差別化できている点は評価できる点だと考えます。
中期経営計画における2022年度の合格実績はほぼ計画通りであり今期の業績もある程度期待できそうですが、直近では前期決算と今期の業績予想が近いので決算発表を待って購入検討でも良いかと思います。
学究社の5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益+株主優待)は+97.5%の予想で、総合評価はBとしました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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