こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は野村不動産HDを高配当株として分析、研究していきたいと思います。
野村不動産HDとは
野村不動産HDは東証プライムに上場する総合不動産で、マンションブランドの「プラウド」シリーズが有名です。
株主還元方針
野村不動産HDは配当利回り3.95%(2023/3/17終値ベース)の高配当株となります。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
総還元性向40-50%(フェーズ1:23/3-25/3期)
配当性向40%水準(フェーズ2-3:26/3-31/3期)
31/3期までの中長期経営計画ではフェーズ1〜3に分かれており、フェーズ1では総還元性向40-50%、フェーズ2〜3では配当性向40%水準を株主還元方針として掲げています。
株主優待
株主優待制度はありません。
配当推移と5年後の期待配当利回り
配当金の増配率は直近5年の平均で年率8.45%、EPS成長率は直近5年の平均で年率4.66%となっています。配当金の増配率に比べてEPSの成長率は低い水準となっています。
配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみると配当金は毎年増配しており、10期連続で増配し11期連続増配予定となっています。EPSはコロナ影響で大きく落ち込みましたがその後回復しています。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
配当金 | 65円 | 70円 | 75円 | 80円 | 82.5円 | 97.5円 | 115円 |
配当性向 | 26.5% | 29.1% | 30.5% | 29.9% | 35.5% | 31.7% | 33.7% |
増配率 | – | +7.69% | +7.14% | +6.67% | +3.13% | +18.18% | +17.95% |
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
EPS | 245.1円 | 240.88円 | 245.98円 | 267.2円 | 232.52円 | 307.81円 | 341.26円 |
成長率 | – | -1.72% | +2.12% | +8.63% | -12.98% | +32.38% | +10.87% |
直近5年間の配当金の平均成長率は年率8.45%で、このペースで成長すれば5年後の配当金は159円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回りは5.46%になっていると期待できます。
ただし5年後の配当性向は40%水準という株主還元方針となっていますので、EPSの成長率から5年後のEPS予想は428.57円となるため、5年後の配当金は171円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回りは5.87%になっていると期待できます。
株価推移と5年後の期待株価
野村不動産HDの株価は10年月足チャートで見ると長くボックス相場(1600〜2800円)を形成していましたが、2022年にブレイクしています。現在は2800円が抵抗線となっている状況です。
2022年12月の日銀の長期金利の変動幅引き上げの影響で不動産関連銘柄は軒並み大幅に株価が急落し、野村不動産HDも大きく下落しましたが、2800円のラインで切り替えしています。
株価上昇率は10年平均で年5.1%となっており、このペースだと5年後の株価は3,833円になっていると期待でき、31.7%増の予想となります。
ただし直近の急落は業績悪化によるものではないので、短期では回復する可能性は十分にあると考えられます。
野村不動産HDの高配当株としての評価と投資判断
野村不動産HDは11期連続増配予定の実質的な累進配当銘柄です。増配余地を十分に残しており減配リスクは低く長期的には配当性向40%まで引き上げるとしており株主還元姿勢は高いと言えるでしょう。
現在の配当利回りは3.95%(2023/3/17終値ベース)となっています。
株価は長くボックス相場(1600〜2800円)を形成していましたが、ブレイクし現在では2800円が抵抗線となっています。2022年12月の日銀の長期金利の変動幅引き上げの影響で大幅に株価が急落しましたが2800円で切り替えしています。株価は買い検討水準であると考えられます。
野村不動産HDの5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益)は+55.5%の予想で、総合評価はD+としました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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