こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回はリース会社の三菱HCキャピタルを分析、研究していきたいと思います。
三菱HCキャピタルとは
三菱HCキャピタルは2021年4月に三菱UFJリース(金融系)による日立キャピタル(メーカー系)の吸収合併で誕生したリース会社です。
金融系とメーカー系の統合ということでシナジー効果をいかに生み出すことができるのかが気になります。
株主還元方針
三菱HCキャピタルは配当利回り3.96%(2023/12/22終値ベース)となっています。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
株主還元は配当を基本とし配当性向は40%以上
(26/3期までの中期経営計画期間)
株主優待
株主優待制度はありません。
配当とEPS推移
三菱HCキャピタルは配当利回り3.96%(2023/12/22終値ベース)で25期連続増配予定と連続増配株として有名です。
ただ配当増配率とEPS成長率を比較してみると配当増配率に対してEPS成長率が低いのが気になります。
三菱HCキャピタル | 直近10年 | 直近5年 | 直近3年 | 平均 |
配当増配率 | 16.9% | 12.5% | 9.8% | 11.9% |
EPS成長率 | 6.8% | 2.3% | 2.2% | 3.0% |
配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。
折れ線グラフは配当性向の推移です。
配当性向は20%くらいから45%くらいまで徐々に上がってきており、増配するために配当性向を上げているという印象があります。
ただし三菱HCキャピタルは21年4月に合併しており、今後合併のシナジーがでて成長が加速するかどうかは要注目だと感じます。
決算期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期(予) |
配当金 | 18円 | 23.5円 | 25円 | 25.5円 | 28円 | 33円 | 37円 |
配当性向 | 25.2% | 30.4% | 31.5% | 41.1% | 40.4% | 40.8% | 44.2% |
増配率 | +38.5% | +30.6% | +6.4% | +2.0% | +9.8% | +17.9% | +12.1% |
決算期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期(予) |
EPS | 71.57円 | 77.28円 | 79.44円 | 62.07円 | 69.24円 | 80.95円 | 83.66円 |
成長率 | +19.7% | +8.0% | +2.8% | -21.9% | +11.6% | +16.9% | +3.3% |
株価推移
三菱HCキャピタルの株価は直近10年の月足チャートで見るとボックス相場でしたが、直近で大きく上昇し一時は1,088円の高値をつけました。
三菱HCキャピタルの高配当株としての評価と投資判断
三菱HCキャピタルは配当利回り3.96%(2023/12/22終値ベース)で、25期連続増配予定という実質的な累進配当銘柄となっています。
配当増配率(11.9%)に比べてEPS成長率(3.0%)が低い点が気になります。増配を維持するために配当性向は10年間で16%ほどから44%ほどまで上昇しており、今後も持続的な増配をするためには合併によるシナジーを出せるかにかかっていると感じます。
新中計ではEPS成長率は11.2%ほどを計画しているので計画通りに進捗するかは注視したいと思います。
現在配当利回りは3.96%でB評価。配当増配力はC評価、総合評価はCとしました。
三菱HCCに投資した場合、配当金のみでの元本回収率は10年で55.9%、15年で103.0%、20年で170.5%というシミュレーション結果となりました。
受け取り配当金のみで投資元本を回収するには15年かかるシミュレーション結果となりました。
三菱HCキャピタル | 10年元本回収率 | 15年元本回収率 | 20年元本回収率 | 投資元本回収期間 |
投資元本回収率 | 55.9% | 103.0% | 170.5% | 15年 |
利益成長率が会社計画の11.2%を達成できるのであれば総合評価Bに格上げできそうですが、現状の利益成長率の低さを考えると個人的には740円以下あたりが購入検討ラインでしょうか。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
コメント