[8076]カノークスの銘柄分析・研究

[8076]カノークスの高配当株としての銘柄分析 総合評価B
[8076]カノークスの高配当株としての銘柄分析

こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回はカノークスを高配当株として分析、研究していきたいと思います。

※2023年3期の本決算が発表されたので追記修正しています。

カノークスとは

カノークスは東証スタンダードに上場するトヨタ自動車向けが主力の鉄鋼商社です。自動車向けが5割以上ですが、建材など非自動車向け事業も育成中です。

株主還元方針

カノークスは配当利回り5.77%(2023/4/28終値ベース)の高配当株となります。
現在の株主還元方針は以下の通りです。

配当性向は50%水準をベンチマークとし、安定した収益の成長と株主還元に努める。
(23/3-25/3期)

2022年7月に発表した現中期経営計画(23/3期〜25/3期)では配当性向50%を株主還元方針として掲げています。

株主優待

株主優待制度はありません。

配当推移と5年後の期待配当利回り

配当金の増配率は平均で年率16.2%で、EPS成長率は平均で年率8.2%となっています。

[8076]カノークスの配当金とEPS推移
[8076]カノークスの配当金とEPS推移

配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみると19/3期と21/3期は減配をしていますが、18/3期は記念配当3円があったため、実質的には19/3期は配当据置であったと言えるでしょう。21/3期はコロナ影響が大きく減配やむなしというところでしょうか。
EPSは外部環境要因で増減がありますが、それでもなるべく減配せまいという姿勢が感じられます。
23/3期は東証スタンダード上場記念で5円の記念配を実施しており、24/3期は95円以上を維持してくるかに注目していましたが、意地の1円増配予想で株主還元姿勢の高さを感じました。

決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期24/3期(予)
配当金37円40円
記念配3円
37円37円30円80円95円
記念配5円
96円
増配率+8.1%-7.5%±0%-18.9%+166.7%+18.8%+1.1%
配当金の推移と伸び率
決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期24/3期(予)
EPS136.1円128.4円139.4円112.7円64.2円192.9円181.8円190.8円
成長率-5.7%+8.5%-19.2%-43.0%+200.6%-5.8%+5.0%
EPSの推移と伸び率

配当性向が50%なのでEPS成長率から5年後の配当金を予想すると130円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回りは7.81%になっていると期待できます。

株価推移と5年後の期待株価

カノークスの株価は10年月足チャートで見ると長く横ばいでしたが、直近2年で力強く上がっており特に東証スタンダード上場後は月足で陽線続きで2月末に1799円を記録し上場来高値を更新しています。

その後はじりじりと下落していますが、決算を受けて今後どう動くかは注目です。

[8076]カノークスの株価推移(6ヶ月_日足チャート)
[8076]カノークスの株価推移(6ヶ月_日足チャート)
[8076]カノークスの株価推移(10年月足チャート)
[8076]カノークスの株価推移(10年月足チャート)

株価上昇率は平均で年11.6%となっています。このペースを維持できれば5年後の株価は2,797円になっていると期待でき、68.0%増の予想となります。

カノークスはトヨタが主な取引先となっており、自動車向けが主力のため今後EV化という流れに対応して利益成長を果たせるかが今後の鍵になってくると感じます。会社もその点は理解しておりEVシフトを進めています。
また現在は事業のほぼすべてを鉄が占めていますが、EV車に求められる軽量化のためにマルチマテリアル化を掲げ、アルミ・チタン・カーボンファイバーなどを商材とする動きも見せています。
事業ポートフォリオの変化を企業価値向上と利益向上に繋げられるかは要注目だと感じます。

カノークスの高配当株としての評価と投資判断

カノークスは中期経営計画(FY23-FY25)で配当性向50%に引き上げており、株主還元姿勢を高めてきました。現在の配当利回りは5.77%(2023/4/28終値ベース)と大変高い水準となっています。

19/3期と21/3期に減配していますが、19/3期に関しては18/3期に記念配当3円を実施しているため普通配当として変わらずのため、実質的にはコロナ影響の大きかった21/3期のみ減配となります。
EPSと配当の推移を見ると、外部環境要因などによりEPSの増減があったとしても、なるべく減配せまいという姿勢は感じられ、多少の減益では減配はしないと感じます。
実際、東証スタンダード上場記念配当(5円)を実施した後の24/3期の配当がどうなるかは一つ大きな注目ポイントでしたが、意地の1円増配予想としており会社の株主還元に対する意志が感じられました。

東証スタンダードに上場はしましたが出来高は少なく5%超の高利回りで放置されているという印象があります。今後EV化の流れにしっかりと対応して事業ポートフォリオをうまく変化させていき企業価値の向上と利益向上を果たせれば注目されて株価もしっかりと上がっていくと感じます。

最新のカノークスの銘柄分析のまとめは以下の通りです。
カノークスの5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益)は+101.6%の予想で、総合評価はBとしました。

[8076]カノークスの高配当株としての銘柄分析
[8076]カノークスの高配当株としての銘柄分析

前回(3/17)の分析結果と比較すると連続増配が3期連続予想となっており、DからDに、5年後期待株価が2708円から2797円になりキャピタル評価がCからBに、5年後期待配当をEPS成長率から算出してより精緻化したため176円から130円になりSからB+になっています。総合評価はBで据え置きとしました。

[8076]カノークスの高配当株としての銘柄分析・研究
[8076]カノークスの高配当株としての銘柄分析・研究

みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。

※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。

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