こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は総合商社の双日を高配当株として分析、研究していきたいと思います。
双日とは
双日は日商岩井とニチメン(日綿實業)が統合した総合商社です。2社が共に「日」の字があったことから双「日」になりました。
5大商社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅)に豊田通商と双日を加えた7大商社の中でも時価総額7位(7000億円ほど)の企業となります。日経225指数にも採用されています。
株主還元方針
双日は配当利回り4.14%(2023/11/17終値ベース)の高配当株となります。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
連結配当性向30%程度を基本とし、PBR1倍までは時価DOE4%、PBR1倍超では簿価DOE4%を下限配当として設定。
DOEはDividend on equity ratioの略で、株主資本配当率とも呼ばれます。
株主資本に対して企業がどの程度の利益配分を行っているかを示す財務指標です。
現在のPBRは1倍未満なので時価DOE4%が下限配当となります。時価DOEは以下の考え方ですので下限配当は121円ほどになります。
時価ベースのDOE=1株当たり年間配当÷株価(各年度の終値年間平均)
また次期中期経営計画の基本方針が発表され25/3期からは以下のような方針になる予定です。
調整後DOE*4.5%とした累進配当を基本方針とする
▼調整後DOE
支払配当÷前期末調整後自己資本(為替換算調整等の一過性変動要素を除外した自己資本)
DOE4.5%と0.5%引き上げたこと、累進配当を宣言したことは大きいと言えるでしょう。
株主優待
株主優待制度はありません。
配当とEPSの実績推移
双日は配当利回り4.14%(2023/11/17終値ベース)となっています。
配当増配率とEPS成長率は以下の通りです。
双日 | 直近10年 | 直近5年 | 直近3年 | 平均 |
配当増配率 | 22.0% | 15.3% | 18.5% | 18.6% |
EPS成長率 | 23.1% | 13.5% | 25.5% | 18.7% |
配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。
配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみると新型コロナで利益が落ち込んだ20/3期と21/3期には据置と減配となっていますが、それ以外の年は利益に応じてしっかりと配当を増配しています。
決算期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期(予) |
配当金 | 55円 | 85円 | 85円 | 50円 | 106円 | 130円 | 130円 |
増配率 | +37.5% | +54.5% | ±0% | – | +112.0% | +22.6% | ±0% |
株価推移
双日の株価は10年月足チャートで見ると長く横ばいでしたが、直近2年で力強く上がっており右肩上がりとなっています。
双日の高配当株としての評価と投資判断
双日は配当利回りは4.14%(2023/11/17終値ベース)で、2期連続増配のDOE採用銘柄となっています。次期中期経営計画(25/3期~27/3期)を発表しDOE4%からDOE4.5%に引き上げて累進配当を宣言しました。
次期中計ではPBR1倍超達成に関する定量目標はありませんが、統合報告書2023の説明会の中では引き続きPBR1倍超を意識すると述べていました。
現在配当利回りは4.14%でB評価。配当増配力はB評価、総合評価はBとしました。
双日に投資した場合、配当金のみでの元本回収率は10年で72.7%、15年で154.5%、20年で298.6%というシミュレーション結果となりました。
受け取り配当金のみで投資元本を回収するには12年かかるシミュレーション結果となりました。
双日 | 10年元本回収率 | 15年元本回収率 | 20年元本回収率 | 投資元本回収期間 |
投資元本回収率 | 72.7% | 154.5% | 298.6% | 12年 |
個人的には2,889円以下になったら購入検討ラインかと感じました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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