こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は通信大手のKDDIを分析、研究していきたいと思います。
KDDIとは
KDDIはauブランドを中心に携帯キャリアを運営する通信大手で、東証プライムに上場しており3月決算の会社となります。日経225指数にも採用されています。
株主還元方針
KDDIは配当利回り3.35%(2023/4/7終値ベース)となっています。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
配当性向40%超。
成長投資の状況などを鑑み、機動的に自己株式取得を実施。
株主優待
3月に株主優待としてカタログギフトがもらえます。
100株以上保有で3,000円、1,000株で5,000円相当のカタログギフトがもらえます。長期保有による優遇もあります。詳細は公式サイトにてご確認ください。
株主優待の利回りは0.74%〜1.23%となります(2023/4/7終値ベース)。
配当推移と5年後の期待配当利回り
配当金の増配率は平均で年率10.1%ですが、年々増配率は下がっています。
EPS成長率は平均で年率8.0%となっており、こちらも年々下がっているのが気になります。
KDDI | 直近10年 | 直近5年 | 直近3年 | 平均 |
配当増配率 | 16.7% | 8.0% | 5.5% | 10.1% |
EPS成長率 | 13.0% | 6.2% | 4.8% | 8.0% |
配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。
利益は毎年確実に積み上げられて右肩上がりであることが分かります。参入障壁の高い通信事業ということで安定感はありますが携帯料金の値下げの影響は大きいと言わざるを得ないでしょう。今後大きな利益を得るためには5Gや通信事業以外の事業で稼ぐ必要がありそうです。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
配当金 | 85円 | 90円 | 105円 | 115円 | 120円 | 125円 | 135円 |
配当性向 | 38.3% | 38.2% | 40.5% | 41.7% | 42.2% | 41.7% | 42.5% |
増配率 | – | +5.88% | +16.67% | +9.52% | +4.35% | +4.17% | +8.00% |
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
EPS | 221.65円 | 235.54円 | 259.1円 | 275.69円 | 284.16円 | 300.03円 | 317.37円 |
成長率 | – | +6.27% | +10.00% | +6.40% | +3.07% | +5.58% | +5.78% |
配当金の平均増配率は年率10.1%ですが、直近の増配率の低下を考慮して年率8%のペースで増配すると仮定すれば5年後の配当金は184円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回り(YOC)は4.56%になっていると期待できます。
株価推移と5年後の期待株価
KDDIの株価は直近10年の月足チャートで見ると右肩上がりで上昇しています。
会社名 | 株価上昇率 (直近10年) | 株価上昇率 (直近5年) | 株価上昇率 (直近2年) |
KDDI | 12.2% | 7.6% | 10.6% |
株価上昇率は直近10年平均で年率10.1%で、この上昇ペースだと5年後の株価は6,541円になっていると期待でき、62.1%増の予想となります。
KDDIの高配当株としての評価と投資判断
KDDIは配当利回り3.35%(2023/4/7終値ベース)で配当利回りはそこまで高くありませんが、21期連続増配予定で実質的な累進配当銘柄です。
また株主優待があり、5年以上保有すれば100株で5,000円相当のカタログギフトがもらえ優待利回りは1.23%となります。
株価上昇率は年率10.1%とある程度高い水準ではありますが、直近では株価は停滞気味となっています。
配当増配率とEPS成長率は直近で伸び悩み傾向であり、参入障壁の高い通信事業として安定感はありますが今後の大きな成長には5Gや通信事業以外の分野での成長が必要になりそうです。
DXや金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)などの事業の多角化を進めています。
景気動向に業績が左右されにくいディフェンシブ銘柄であり、配当と優待を合わせた総合利回りは4%を超えるため、配当利回りが高い100株保有して高配当株ポートフォリオに組み入れるのが良いと考えます。
KDDIの5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益+株主優待)は+86.0%の予想で、総合評価はC+としました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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