こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回はハウスメーカー大手の大和ハウス工業を高配当株として分析、研究していきたいと思います。
大和ハウス工業とは
大和ハウス工業は賃貸住宅、商業施設、物流など事業施設の3本柱を持ち、戸建てや内外の都市開発も行うハウスメーカー大手です。日経225指数にも採用されています。
時価総額は2兆1421億でハウスメーカーとしては1位となります。2位は積水ハウス。
株主還元方針
大和ハウス工業は配当利回り4.04%(2023/3/10終値ベース)の高配当株となります。
株主還元方針は以下の通りです。
配当性向35%以上かつ下限配当は130円/株とし、機動的な自己株式の取得を行う。
下限配当を130円としており実質的な累進配当銘柄となっています。12期連続で増配しており13期連続増配の会社予想を発表しています。自己株式取得にも積極的です。
株主優待
株主優待制度は、株主優待券となり保有株数に応じて受け取れる優待券の枚数が変わります。
優待利回りは0.31%ほどなので優待株としてのうまみはそこまでないと言えるでしょう。
配当推移と5年後の期待配当利回り
23/3期の配当金は130円の会社予想となっており、配当利回りは4.04%(2023/3/10終値ベース)となっています。
配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみると配当金は伸びていますが、それに対してEPSの伸びが芳しくありません。
配当金の伸び率を見てみると、EPSが減少した20/3期や21/3期でも1円増配しており、連続増配に対する気持ちの強さは伺えます。しかしEPSを持続的に伸ばすことができなければ今後大きなリターンは見込めないでしょう。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 |
配当金 | 92円 | 107円 | 114円 | 115円 | 116円 | 126円 | 130円 |
伸び率 | – | +16.30% | +6.54% | +0.88% | +0.87% | +8.62% | +3.17% |
直近5年間の配当金の平均成長率は年率6.49%となっており、このペースだと5年後の配当金は157円ほどとなり、現在株価で購入すれば5年後の配当利回りは5.20%ほどになっていると期待できます。しかしEPSの成長が伴わなければ配当も伸びませんから厳しいところだと感じます。
株価推移と5年後の期待株価
大和ハウス工業の株価は10年月足チャートで見るとゆるやかな右肩上がりとなっていますが、2018年の高値である4,594円を超えることはできていません。
株価上昇率は年率6.3%であり高くはありません。
このペースを維持すると仮定すると5年後の株価は4,301円になっている予想で33.8%増となりますが、肌感としてはおそらく難しいと感じます。
大和ハウス工業の高配当株としての評価と投資判断
大和ハウス工業は13期連続増配予定で実質的な累進配当銘柄となっています。
しかしEPS成長率が低く、ほぼ横ばいのため長期的な成長可能性は低いと考えられます。
現在の株価は日足や週足で見ると明らかに高値圏であり今は買うべきではないと感じます。買うとすれば2,900円台の底値付近まで下がるようであれば検討をしても…というところでしょうか。
大和ハウス工業の5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益+株主優待)は+58.4%の予想で、総合評価はD+としました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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