[8801]不動産株/三井不動産の銘柄分析・研究

[8801]三井不動産の高配当株としての分析・研究 総合評価D
[8801]三井不動産の高配当株としての分析・研究

こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は三井不動産を高配当株として分析、研究していきたいと思います。

三井不動産とは

三井不動産は三菱地所と並ぶ総合不動産の双璧です。賃貸ビルや住宅分譲、商業施設など総合的に強いデベロッパーとなります。日経225指数にも採用されています。

株主還元方針

三井不動産の配当利回りは2.41%(2023/3/17終値ベース)とそこまで高い配当利回りではありません。
現在の株主還元方針は以下の通りです。

総還元性向45%程度を⽬途に安定的な配当を実施。
資本効率向上を目的とし機動的な自己株式取得を行う。(22/3-26/3期)

総還元性向45%とのことですが、配当性向は近年は30%ほどの実績となっています。

株主優待

株主優待制度はありません。

配当推移と5年後の期待配当利回り

配当金の増配率は直近5年の平均で年率10.10%、EPS成長率は直近5年の平均で年率6.69%となっており、EPSの成長率の低さが気になります。CEOメッセージで20年以上減配なしで安定的で継続的な株主還元をしてきたと謳っているため減配のリスクは低いとは思いますが配当の源泉である利益成長がなければ増配は見込めませんので、年率10%の増配率が今後も続くかは疑問が残ります。

[8801]三井不動産の配当金とEPS推移
[8801]三井不動産の配当金とEPS推移

配当金とEPS(1株利益)の推移は以下の通りです。21/3期以降は配当性向が30%ほどになっています。

決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期
配当金34円40円44円44円44円55円60円
配当性向25.5%25.4%25.7%23.4%32.7%29.8%29.9%
増配率+17.65%+10.00%±0%±0%+25.00%+9.09%
配当金の推移と伸び率
決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期
EPS133.4円157.75円171.3円188.35円134.44円184.44円200.98円
成長率+18.25%+8.59%+9.95%-28.62%+37.19%+8.97%
EPSの推移と伸び率

直近5年間の配当金の平均成長率は年率10.10%で、このペースで成長すれば5年後の配当金は88円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回りは3.54%になっていると期待できます。

株価推移と5年後の期待株価

三井不動産の株価は10年月足チャートで見るとほぼ横ばいもしくは下落基調となっています。
直近では2022年12月の日銀の長期金利の変動幅引き上げの影響で不動産関連銘柄は軒並み大幅に株価が急落し、三井不動産も大きく下落しました。

[8801]三井不動産の株価推移(10年月足チャート)
[8801]三井不動産の株価推移(10年月足チャート)

株価上昇率は10年平均で年0.9%となっています。このペースのままだと仮定すると5年後の株価は2,660円になっていると予想でき、6.8%増の予想となります。

ただし直近の急落は業績悪化によるものではないので、短期で回復する可能性は十分にあると考えられます。

三井不動産の高配当株としての評価と投資判断

三井不動産は20期以上減配なしの実質的な累進配当銘柄となり、今期増配予定で2期連続増配予想です。現在の配当利回りは2.41%(2023/3/17終値ベース)と配当株としては高くはない水準となっています。
またEPSの直近5年の平均成長率が年率6.69%と高くないため配当の源泉である利益の伸びはあまり期待できず今後の大きな増配は期待できないと感じます。

株価に関しても10年前の水準とあまり変わらず、今後も大きな株価の上昇は期待できないと感じます。

[8801]三井不動産の高配当株としての分析・研究
[8801]三井不動産の高配当株としての分析・研究

三井不動産の5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益)は+21.6%の予想で、総合評価はDとしました。

みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。

※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。

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