こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回はリース会社の東京センチュリーを分析、研究していきたいと思います。
東京センチュリーとは
東京センチュリーは伊藤忠商事が30%の株式を保有する持分法適用関連会社です。
伊藤忠とみずほFG(旧第一勧業銀行)が源流にあるが、現在のみずほFGの保有比率は4%弱で銀行色は薄い状況です。
株主還元方針
東京センチュリーは配当利回り3.17%(2023/4/21終値ベース)となっています。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
⾧期的かつ安定的に利益還元を行い、配当性向の向上を図る。
23/3期までに連結配当性向30%を目指す。
株主優待
株主優待制度は100株以上保有していれば2,000円のクオカードがもらえます。
保有株数や保有期間によって額面は変わりますので詳しくは公式ホームページをご覧ください。
配当推移と5年後の期待配当利回り
東京センチュリーは配当利回り3.17%(2023/4/21終値ベース)で、18期連続増配の実績があります。なお23/3期は据え置き予想としておりますので本決算で増配を発表してくるかは注目したいところです。
配当増配率は平均で年率5.4%、EPS成長率は平均で年率1.6%となっています。
東京センチュリー | 直近10年 | 直近5年 | 直近3年 | 平均 |
配当増配率 | 12.5% | 7.4% | 1.7% | 5.4% |
EPS成長率 | 5.3% | -0.1% | -6.0% | 1.6% |
配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。
23/3期はほぼ利益ゼロのように見えますが、これは航空機リース(ACG)においてロシアの航空会社向けの回収の見通しが立たず特別損失を計上したためとなります。なお全額カバーする保険をかけているため保険請求をしているとしています。詳細は以下IR参照。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/2220729/00.pdf
18期連続の実績がありますが、23/3期の配当は据え置きとなっており、増配を実施するのかは注目したいところです。21/3期も配当据え置きから本決算で2円の増配を発表しており、今回も特別損失による一過性の減益ということで連続増配は続ける可能性はあると思います。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
配当金 | 100円 | 114円 | 124円 | 136円 | 138円 | 143円 | 143円 |
配当性向 | 24.2% | 23.5% | 25.1% | 25.9% | 34.3% | 34.7% | 1748.2% |
増配率 | – | +14.0% | +8.8% | +9.7% | +1.5% | +3.6% | ±0% |
中期経営計画(21/3期~23/3期)では23/3期のEPSは650円の予想で、配当性向30%で1株195円配当の予想でしたがコロナ禍とウクライナ情勢によって大きく影響を受けた印象です。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期(予) |
EPS | 413.5円 | 486.09円 | 494.92円 | 524.96円 | 402.56円 | 411.56円 | 8.18円 |
成長率 | – | +17.6% | +1.8% | +6.1% | -23.3% | 2.2% | -98.0% |
配当金の平均増配率は年率5.4%で、このペースで増配すると仮定すれば5年後の配当金は176円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回り(YOC)は3.92%になっていると期待できます。
株価推移と5年後の期待株価
東京センチュリーの株価は直近10年の月足チャートで見ると緩やかな上昇をしていますが、直近はコロナとウクライナ情勢の影響が大きく2021年1月の高値から半値近くまで下がっています。
東京センチュリー | 直近10年 | 直近4年 | 直近3年 | 平均 |
株価上昇率 | 6.9% | -1.8% | -0.6% | 2.8% |
株価上昇率は年率2.8%で、この上昇ペースだと5年後の株価は5,178円になっていると期待でき、14.9%増の予想となります。
東京センチュリーの高配当株としての評価と投資判断
東京センチュリーは配当利回り3.17%(2023/4/21終値ベース)で株主優待も含めた総合利回りは3.62%となります。
配当増配率(5.4%)、EPS成長率(1.6%)と低くなっており、コロナとウクライナ情勢が大きく影響しております。
18期連続増配の実績がありますが23/3期の配当は据え置き予想のままとなっており、5/12(15時)の本決算で増配して連続増配を死守するのかは注目です。
株価上昇率は年率2.8%と緩やかな右肩上がりの状態ですが2021年1月の高値から半値まで下がり4,000円台で底値を固めており、本決算と共に次期中期経営計画の発表によって株価は再び上を目指してくれそうです。
東京センチュリーの5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益+株主優待)は+34.8%の予想で、総合評価はDとしました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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