こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は鉄鋼3兄弟の1人である神戸製鋼所を高配当株として分析、研究していきたいと思います。
神戸製鋼所とは
鉄鋼3兄弟(日本製鉄、JFE、神戸製鋼所)の三男坊で、鋼材を中心にアルミや銅、チタンさらには電力などその事業PFは多岐にわたります。
株主還元方針
神戸製鋼所は配当利回り5.25%(2023/12/21終値ベース)の高配当株となります。
23年8月に株主還元方針の変更をして現在の株主還元方針は以下の通りです。
配当性向を親会社株主に帰属する当期純利益(連結)の30%程度を目安とする
従来の配当性向15-25%程度から30%まで引き上げています。
株主優待
株主優待制度はありません。
配当とEPSの実績推移
神戸製鋼所の配当増配率とEPS成長率は以下の通りです。
神戸製鋼所 | 直近10年 | 直近5年 | 直近3年 | 平均 |
配当増配率 | 4.6% | 8.8% | 10.4% | 7.9% |
EPS成長率 | 0.48% | 11.6% | 6.16% | 5.9% |
配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。
配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみると赤字や無配、減配など動きが激しいことが見て取れます。
決算期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期(予) |
配当金 | 30円 | 20円 | 0円 | 10円 | 40円 | 40円 | 90円 |
配当性向 | 17.2% | 20.2% | – | 15.6% | 25.0% | 21.8% | 29.6% |
株価推移
神戸製鋼所の株価は10年月足チャートですが、直近で大きく上がってきていますがまだ2015年の高値には届きません。
神戸製鋼所の高配当株としての評価と投資判断
神戸製鋼所の配当利回りは5.25%(2023/12/21終値ベース)で現在3期連続非減配となっています。
23年8月に配当性向を今までの15-25%程度から30%程度に引き上げて今期は大幅増配予定。
ただし過去の業績実績を見ると業績のブレは大きく、赤字や無配・減配が多々あったため安定しているとは言いにくい。会社としても問題認識はしているようで安定収益基盤の確立を中期経営計画で掲げているが道半ばといったところでしょうか。
中期経営計画の進捗説明会の資料を見ると鋼材や機械などはROIC(投下資本利益率)が改善しているのが分かりますが、アルミ事業は収益性に課題ありとなっています。
来期からの次期中計がどうなるかは要注目だと思っています。
ただ配当株としては減配リスクが大きく手を出しづらい部分はあり、見た目の配当利回りだけで投資しない方が良いと思います。
現在配当利回りは5.25%でA+評価。配当増配力はC評価、総合評価はCとしました。
神戸製鋼所に投資した場合、配当金のみでの元本回収率は10年で68.8%、15年で121.2%、20年で191.0%というシミュレーション結果となりました。
受け取り配当金のみで投資元本を回収するには14年かかるシミュレーション結果となりました。
神戸製鋼所 | 10年元本回収率 | 15年元本回収率 | 20年元本回収率 | 投資元本回収期間 |
投資元本回収率 | 68.8% | 121.2% | 190.0% | 14年 |
今後の減配などのリスクを考慮すると個人的には1,400円以下あたりが購入検討ラインでしょうか。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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