こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は三菱地所を高配当株として分析、研究していきたいと思います。
三菱地所とは
三菱地所は三井不動産と並ぶ総合不動産の双璧です。大手町などの保有不動産の資産は莫大です。日経225指数にも採用されています。
株主還元方針
三菱地所は配当利回り2.35%(2023/3/17終値ベース)となり、配当株としてはそこまで高い水準ではありません。
現在の株主還元方針は以下の通りです。
配当性向30%程度かつ、資本政策の一環としての自己株式の取得を行う。(21/3-31/3期)
直近5年間の配当性向は30%程度でしたが、今後もその方針に変更はないということで株主還元姿勢は変わらずで株主還元に積極的な印象はありません。
株主優待
株主優待制度はありません。
配当推移と5年後の期待配当利回り
配当金の増配率は直近5年の平均で年率12.47%、EPS成長率は直近5年の平均で年率9.49%となっています。EPSは5-6年で2倍ほどになっています。
配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみるとコロナで減益した際に減配しています。
近年の配当性向は30%で今後もその方針は変わらないので株主還元に積極的であるとは言い難いと言えるかもしれません。
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 |
配当金 | 20円 | 26円 | 30円 | 33円 | 31円 | 36円 | 38円 |
配当性向 | 27.0% | 30.0% | 30.9% | 30.4% | 30.6% | 30.9% | 30.3% |
増配率 | – | +30.00% | +15.38% | +10.00% | -6.06% | +16.13% | +5.56% |
決算期 | 17/3期 | 18/3期 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 |
EPS | 74.00円 | 86.78円 | 96.97円 | 108.64円 | 101.34円 | 116.45円 | 125.55円 |
成長率 | – | +17.27% | +11.74% | +12.03% | -6.72% | +14.91% | +7.81% |
直近5年間のEPSの平均成長率は年率9.49%で、5年後のEPS予想値と配当性向30%から5年後の配当金は60円になっていると予想でき、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回りは3.71%になっていると予想できます。
株価推移と5年後の期待株価
三菱地所の株価は10年月足チャートで見ると右肩下がりとなっています。
2022年12月の日銀の長期金利の変動幅引き上げの影響で不動産関連銘柄は軒並み大幅に株価が急落し、三菱地所も大きく下落しました。コロナの安値が1600円付近なのでここが下限となり下値リスクは低いと言えるかと思います。
株価上昇率は10年平均で年-2.8%となっています。
ただし下値リスクは低く今後5年間もこのペースで下落し続けるとは考えられず、直近1年の上昇率などを加味した5年後の予想株価は2,621円で、0.2%増でほぼ変わらずの予想となります。
三菱地所の高配当株としての評価と投資判断
三菱地所は現在の配当利回りは2.35%(2023/3/17終値ベース)と配当株としては高い水準ではありません。EPS成長率は9.49%と低くはないですが31/3期まで配当性向30%となりますので現在株価で取得しても5年後の配当利回りは3.71%の予想となりインカムの期待値は低く、減配リスクもあります。
株価は2022年12月の日銀の長期金利の変動幅引き上げの影響で大幅に株価が急落し、コロナの安値1600付近まで下がっています。株価の下値リスクは低いかと思いますが、大きな上昇も期待できないため、キャピタルでも期待値は低いと言わざるを得ないでしょう。
三菱地所の5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益)は+5.5%の予想で、総合評価はDとしました。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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