[4042]化学メーカー/東ソーの銘柄分析・研究

こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は化学メーカーの東ソーを分析、研究していきたいと思います。

東ソーとは

クロル・アルカリ事業、石油化学事業、機能商品事業、エンジニアリング事業などを展開する化学メーカーです。合成ゴムのCSMなどで世界トップシェア、苛性ソーダなどで国内シェアトップという実績があります。

株主還元方針

東ソーは配当利回り4.89%（2023/5/30終値ベース）となっています。
現在の株主還元方針は以下の通りです。

株主優待

株主優待制度はありません。

配当推移と5年後の期待配当利回り

東ソーは配当利回り4.89%（2023/5/30終値ベース）です。
13期以上非減配で安定配当の企業です。

配当増配率は平均で年率14.1%、EPS成長率は平均で年率8.4%となっています。

東ソー	直近10年	直近5年	直近3年	平均
配当増配率	19.8%	10.8%	11.7%	14.1%
EPS成長率	19.1%	1.9%	4.0%	8.4%

配当金とEPS（1株利益）の推移をグラフで見てみます。

23/3期からの中期経営計画で配当方針として配当性向30%を目安とするとしていますが、23/3期は配当性向50.6%で24/3期は配当性向42.4%の予想となっており減配を避けるために配当性向を引き上げている状況となっています。

決算期	17/3期	18/3期	19/3期	20/3期	21/3期	22/3期	23/3期	24/3期(予)
配当金	48円	56円	56円	56円	60円	80円	80円	80円
配当性向	20.6%	20.5%	23.3%	32.7%	30.3%	23.6%	50.6%	42.4%
増配率	+71.4%	+16.7%	±0%	±0%	+7.1%	+33.3%	±0%	±0%

決算期	17/3期	18/3期	19/3期	20/3期	21/3期	22/3期	23/3期	24/3期(予)
EPS	233.1円	273.5円	240.6円	171.0円	197.9円	339.2円	158.1円	188.5円
成長率	+86.2%	+17.3%	-12.0%	-28.9%	+15.7%	+71.4%	-53.4%	+19.2%

5年後のEPSはEPS成長率8.4%で試算すると259.92円となります。配当性向30.8%でも配当金は80円となるので5年後でも配当金は80円のままという可能性も否めません。もちろん配当方針を転換してくる可能性もありますので、増配する可能性も十分にあるとは思います。

株価推移と5年後の期待株価

東ソーの株価は直近10年の月足チャートで見ると2017年のピークから低迷が続いています。
株価が1,600円を割るようであれば配当利回りは5%になるので買いを検討するのであれば底値を狙うのが良いと思われます。

東ソー	直近10年	直近5年	直近3年	平均
株価上昇率	11.5%	-3.5%	-5.6%	3.7%

株価上昇率は年率3.7%ですが直近の株価の低迷から予測すると5年後の期待株価は1,682円ほどで2.7%増の予想となります。

東ソーの高配当株としての評価と投資判断

東ソーは配当利回り4.89%（2023/5/30終値ベース）の化学メーカーです。
13期以上非減配で安定配当の企業となります。
ただし23/3期からの中期経営計画で配当方針として配当性向30%を目安とするとしていますが、23/3期は配当性向50.6%で24/3期は配当性向42.4%(予想)となっており、減配を避けるために配当性向を引き上げている状況となっています。
そのため5年後における配当金はEPS成長率から試算しても80円と現在と変わらずの据え置きとなる可能性もあります。

またキャピタル面でも2017年の高値から低迷しており期待値は低いと考えられます。

景気敏感株なので市況によって左右される部分があるため、底値を丁寧に拾っていくのが戦略となるかもしれません。減配リスクは限りなく低く現状の配当利回りも十分に高いため安心してホールドしていける銘柄ではあります。

東ソーの5年後における総合期待リターン（株価上昇+配当益）は+27.2%の予想で、個人的な総合評価はDとしました。

みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。

※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。