[8098]化学系専門商社/稲畑産業の銘柄分析・研究

[8098]稲畑産業の高配当株としての分析・研究 総合評価A
[8098]稲畑産業の高配当株としての分析・研究

こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は化学系専門商社の稲畑産業を分析、研究していきたいと思います。

稲畑産業とは

稲畑産業は化学系専門商社で、東証プライムに上場しており3月決算の会社となります。

株主還元方針

稲畑産業は配当利回り4.34%(2023/3/30終値ベース)で高配当株として高い水準にあります。
現在の株主還元方針は以下の通りです。

累進配当を継続し総還元性向50%を目安に還元。
政策保有株式を27/3期までに80%削減し売却益が発生すれば株主還元。

株主優待

9月に株主優待としてクオカードがもらえます。
株数と保有期間で額面はことなります。
100株以上保有で500円、最大で300株を3年以上保有で5000円もらえます。詳細は公式サイトにてご確認ください。

株主優待の利回りは0.19%〜0.75%となります(2023/3/30終値ベース)。

配当推移と5年後の期待配当利回り

配当金の増配率は直近5年の平均で年率22.4%、直近7年の平均でも年率18.0%と高い増配率となっています。
これは2022年2月7日に総還元性向を30-35%から50%にまで引き上げたことが大きかったと言えるでしょう。累進配当を宣言するなど株主還元姿勢が高い点はポイントが高いです。

EPS成長率は直近5年の平均で年率19.1%、直近7年の平均で年率13.1%となっています。

配当金とEPS(1株利益)の推移をグラフで見てみます。

[8098]稲畑産業の配当金とEPSの推移
[8098]稲畑産業の配当金とEPSの推移

利益は年度により上下するも順調に利益は右肩上がりであることが分かります。また総還元性向は50%で配当性向は30%前後なので、増配余地は十分にあることが分かります。

決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期(予)
配当金40円40円48円53円63円110円115円
配当性向25.6%36.4%22.7%28.1%27.5%29.4%32.0%
増配率±0%+20.00%+10.42%+18.87%+74.60%+4.55%
配当金の推移と伸び率
決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期(予)
EPS156.25円109.92円211.36円188.82円229.13円374.23円358.91円
成長率-29.65%+92.29%-10.66%+21.35%+63.33%-4.09%
EPSの推移と伸び率

直近7年間の配当金の平均成長率は年率18.0%で、このペースで成長すれば5年後の配当金は223円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回り(YOC)は8.42%になっていると期待できます。

※稲畑産業の直近5年の増配率は高すぎるため、再現性の観点からより現実的な数字の直近7年の増配率で計算

株価推移と5年後の期待株価

稲畑産業の株価は直近10年の月足チャートで見ると右肩上がりで上昇しています。

[8098]稲畑産業の株価推移(10年月足チャート)
[8098]稲畑産業の株価推移(10年月足チャート)
会社名株価上昇率
(直近10年)
株価上昇率
(直近5年)
株価上昇率
(直近2年)
稲畑産業14.6%8.5%21.6%
[8098]稲畑産業の株価上昇率

株価上昇率は直近10年平均で年率14.6%で、この上昇ペースだと5年後の株価は5,097円になっていると期待でき、92.3%増の予想となります。

稲畑産業の高配当株としての評価と投資判断

稲畑産業は配当利回り4.34%(2023/3/30終値ベース)で配当利回りは高く、5期連続増配予定かつ累進配当を株主還元方針として宣言しています。増配余地も十分に残しているので今後も増配を続けてくれるはずです。

株価上昇率、配当増配率、EPS成長率のいずれも高い水準でインカム期待値はもちろん高いですが、キャピタル期待値も高い銘柄です。
株主優待銘柄でもあるので、300株を長期で保有したい銘柄と言えるでしょう。

また政策保有株式を27/3期までに80%削減すること、そして売却益は内部留保するのではなく株主還元に回すとしています。これがどれくらいのインパクトのあるものなのかは調べきれていませんが、株価に与える影響は大きいかもしれません。
政策保有株式に関しては21/3期の残高に対して24/3期までに50%を削減、27/3期までに80%を削減としています。
21/3期の残高は716億であり、現在までに346億まで減少しています。
単純計算で24/3期で12億の売却、25/3期から27/3期までの3年間で214億(年71億)の売却という計算になります。
稲畑産業の経常利益が24/3期の目標値が170億という規模ですから、その影響は小さくはないでしょう。27/3期までは保有株式の売却によって高い利益水準が期待できると感じます。

[8098]稲畑産業の高配当株としての分析・研究
[8098]稲畑産業の高配当株としての分析・研究

稲畑産業の5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益)は+126.4%の予想で、総合評価はAとしました。

みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。

※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました