[3289]不動産株/東急不動産HDの銘柄分析・研究

[3289]東急不動産HDの高配当株としての分析・研究 総合評価D
[3289]東急不動産HDの高配当株としての分析・研究

こんにちは、高配当株研究所、所長のトラ男です。
今回は東急不動産HDを高配当株として分析、研究していきたいと思います。

東急不動産HDとは

東急不動産HDは東証プライムに上場する東急系の総合不動産で、ビル賃貸が利益の柱です。日経225指数にも採用されています。

株主還元方針

東急不動産HDは配当利回り3.04%(2023/3/20終値ベース)で配当株としては高くはない水準となります。
現在の株主還元方針は以下の通りです。

成⻑再投資を通じてEPSを増⼤させ、当⾯は配当性向30%以上を安定的に継続維持していく。 (23/3-26/3期)

26/3期までの中期経営計画では配当性向30%以上を株主還元方針として掲げています。

株主優待

株主優待として自社ホテルなどで使える宿泊優待券やゴルフ場やスキー場などで使えるスポーツ優待券などがもらえます。

詳細は東急不動産HPをご参照ください。

配当推移と5年後の期待配当利回り

配当金の増配率は直近5年の平均で年率5.51%、EPS成長率は直近8年の平均で年率2.02%(直近5年だと年率-1.16%)となっています。配当金の増配率に比べてEPSの成長率は低い水準となっています。

[3289]東急不動産HDの配当金とEPS推移
[3289]東急不動産HDの配当金とEPS推移

配当金とEPS(1株利益)の推移を見てみるとコロナ影響で落ち込んだ21/3期も配当金は据置としており配当性向53.1%にしてまで減配しておらず、減配リスクは低いと言えるでしょう。

決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期(予)
配当金13円14.5円15.5円16円16円17円19円
配当性向25.1%25.1%27.3%29.8%53.1%34.8%35.0%
増配率+11.54%+6.90%+3.23%±0%+6.25%+11.76%
配当金の推移と伸び率
決算期17/3期18/3期19/3期20/3期21/3期22/3期23/3期(予)
EPS51.77円57.8円56.84円53.7円30.13円48.84円54.22円
成長率+11.65%-1.66%-5.52%-43.89%+62.10%+11.02%
EPSの推移と伸び率

直近5年間の配当金の平均成長率は年率5.51%で、このペースで成長すれば5年後の配当金は24円となり、現在株価で購入すれば5年後の配当取得利回りは3.76%になっていると期待できます。

ただしEPS成長率が低いため今まで通りに増配し続けられるかは疑問が残ります。

株価推移と5年後の期待株価

東急不動産HDの株価は10年月足チャートで見ると右肩下がりとなっています。
下値はコロナの下落時を除けば500円付近、上値抵抗線は2022年10月ごろにブレイクしかけましたが、2022年12月の日銀の長期金利の変動幅引き上げの影響で不動産関連銘柄は軒並み大幅に株価が急落し、東急不動産HDも大きく下落し上値抵抗線を超えることはできませんでした。

[3289]東急不動産HDチャート
[3289]東急不動産HDの株価推移(10年月足チャート)

株価上昇率は10年平均で年-3.0%となっていますが、下値支持線と上値抵抗線が交わりどこかでブレイクすると思われます。5年後の株価は6,60円、5.4%増の予想としました。

東急不動産HDの高配当株としての評価と投資判断

東急不動産HDはホールディングス制への移行以後減配なしで実質的な累進配当銘柄です。
現在の配当利回りは3.04%(2023/3/20終値ベース)となっています。

株価は右肩下がりとなっておりキャピタル面での期待値は低いですが、株価は下値支持線と上値抵抗線が交わろうとしており、下値リスクは限定的であることから株主優待に魅力を感じるのであれば100株保有するというのはありではないでしょうか。600円付近で購入すれば配当金があるので長期で保有すれば負けることはないと感じます。

[3289]東急不動産HDの高配当株としての分析・研究
[3289]東急不動産HDの高配当株としての分析・研究

東急不動産HDの5年後における総合期待リターン(株価上昇+配当益)は+6.3%の予想で、総合評価はDとしました。

みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。

※本記事は株式の取得、売却、保有等を推奨するものではありません。投資は自己判断でお願いします。

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